本日はいかがなさいましたか?

主な対象疾患と治療法

末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)

症状

1度:無症状(冷感・しびれ)
2度:歩行時のしびれ・痛み
3度:安静時の足先の痛み
4度:足部の潰瘍・壊疽

検査

脈拍触診、ABI(足関節上腕血圧比)検査、トレッドミル検査、血管超音波検査、CT、MRI、血管造影検査

治療

閉塞性動脈硬化症は動脈硬化により、主に下肢に血流障害をきたす疾患です。血行障害の程度により1度:無症状、2度:間欠性跛行(歩行中に足がだるくなり、歩けなくなる)、3度:安静時痛、4度:潰瘍・壊疽と進行します。症状に応じて、個々の症例に最適な治療方針(薬物治療、血管内治療、バイパス術のいずれが最適か)を決定しています。 比較的症状の軽度の患者では薬物治療を開始しますが、十分な症状の改善が得られない場合には血行再建術を行います。血行再建術にはカテーテルを用いた血管内治療とパイパス手術があります。血管内治療は近年急速に進歩しており、様々な領域に施行可能となっていますが、カテーテル治療が困難な場合や再閉塞例ではバイパス手術を行います。 近年、糖尿病や血液透析患者の増加により難治性潰瘍・壊疽を伴う重症虚血肢例が急増しています。従来は血行再建不能と判断され、下肢切断に至るものも少なくありませんでしたが、積極的に足部(脛骨動脈、足背動脈、足底動脈)までの血行再建を行うことにより、可能な限り大切断(大腿や下腿切断)を回避するように努めています。

閉塞性動脈硬化症に関する情報(田辺三菱製薬株式会社)

腹部大動脈瘤

症状

自覚症状はほとんどありません。ほかの目的で実施した検査で偶然発見されることもあります。

検査

触診、腹部超音波検査、CT検査

治療

腹部大動脈瘤は加齢などの影響により腹部大動脈が拡張する疾患で、60歳以上の約4%に発生するといわれています。腹部大動脈は放置するとさらに増大し、破裂して致死的大出血をきたします。動脈瘤の大きさに応じて手術が必要か、経過観察するかを判定します。

開腹・人工血管移植術:従来より行われ、開腹下に大動脈瘤を切開し、動脈瘤の部位に人工血管を移植します。
ステントグラフト内挿術:鼠径部(足の付け根)の動脈からステントグラフト(バネ付き人工血管)を大動脈内に挿入・展開します。最近では止血デバイス(体外より動脈を縫合する器械)を用いることによりさらに小さなキズ(左右約6−7mm程度)での治療が可能となっています。手術部の痛みが少なく、術後の回復が早いです。

腹部大動脈瘤に関する情報(日本ステントグラフト実施基準管理委員会)

下肢静脈瘤

症状

足の血管が浮き出て見える、ふくらはぎのだるさ、足のかゆみ・むくみ、足のこむら返り(つり)

検査

超音波検査

治療

下肢静脈瘤の患者数は1000万人以上と推定され、血管外科が扱う疾患の中では最も多い疾患です。この病気は下肢の皮下静脈(伏在静脈)の逆流防止弁が機能を失うことにより、血液が逆流し、下肢に血液の停滞(うっ血)を起こします。その結果、静脈がこぶ状に拡張、蛇行し、下肢のだるさ、痛み、むくみ、こむら返り、かゆみ、皮膚炎、潰瘍といった症状が出現、進行します。血管エコー検査を用いることで痛みを感じることなく確実に診断が可能です。 基本的に無症状静脈瘤は手術の必要はありませんが、有症状の場合は下肢の症状を緩和させるため静脈逆流の重症度に応じた治療が必要となります。

血管内レーザー焼灼術:局所麻酔で血管内にレーザーファイバーを挿入し、血管内を焼灼することにより、逆流を防止します。1泊2日または日帰りで行なっております。
血管内塞栓術(グルー治療):血管内に生体用瞬間接着剤シアノアクリレートを注入することにより、逆流を防止します。

下肢静脈瘤に関する情報(日本メドトロニック株式会社)