主な対象疾患と治療法
子宮内膜症
症状
月経時の腹痛・腰痛・嘔気・下痢、月経時以外の腹痛
検査
内診、直腸診、超音波検査、骨盤MRI検査
治療
- 薬物療法 軽度の場合は鎮痛剤
ホルモン療法(低用量ピル・黄体ホルモン療法) - 手術療法 症状が強い場合や、卵巣子宮内膜症性嚢胞がある場合には腹腔鏡下内膜症病巣除去術
※若い女性の子宮内膜症が増えています。月経痛の強い人の中には内膜症を持っている人が多くいます。内膜症が進行すると不妊の原因にもなります。月経痛は我慢せずに、産婦人科に相談しましょう。「こんなに楽になるなら、もっと早く受診すればよかった」と言われる患者さんがたくさんいますよ。
子宮筋腫
症状
過多月経、貧血、月経痛、頻尿、腰痛、便秘、不妊症
検査
内診、超音波検査、骨盤MRI検査
治療
- 薬物療法:ホルモン療法 ホルモン放出子宮内避妊器具 鎮痛剤 鉄剤など
- 手術療法:日常生活にかかわる症状がある場合や不妊症の場合には手術療法にて治療をおすすめする場合があります。
- 今後妊娠が必要な方:開腹筋腫核出術 腹腔鏡下筋腫核出術 子宮鏡下筋腫切除術
- 今後妊娠が必要ない方:開腹子宮全摘出術 腹腔鏡下子宮全摘出術
子宮筋腫は女性の5割程度がもっているありふれた疾患ですが、日常生活に困るような症状や不妊症の場合には治療を要する場合があります。大きくなったり、個数が増えてくると開腹手術を選択しないと治療が困難な場合がありますので、早期に発見して適切な時期に治療することで負担が少ない治療が行える場合があります。一度婦人科で診察を受けましょう。
卵巣腫瘍
症状
小さいうちは無症状、破裂や捻転に伴い、突然の下腹部痛
検査
内診、超音波検査、骨盤MRI検査、腫瘍マーカー測定
治療
小さいものでは経過観察を行いますが、基本的には手術を行います。
卵巣腫瘍には、良性、境界悪性、悪性のものがあり、最終的には手術で摘出して病理検査を行うことで確定します。
術前の諸検査で良性が疑われる場合は体への負担が軽い腹腔鏡下手術を行います。
境界悪性腫瘍や悪性腫瘍が疑われる場合は開腹手術を行います。悪性腫瘍の場合は術後に抗がん剤の治療が必要になることもあります。
卵巣腫瘍には、良性、境界悪性、悪性のものがあり、最終的には手術で摘出して病理検査を行うことで確定します。
術前の諸検査で良性が疑われる場合は体への負担が軽い腹腔鏡下手術を行います。
境界悪性腫瘍や悪性腫瘍が疑われる場合は開腹手術を行います。悪性腫瘍の場合は術後に抗がん剤の治療が必要になることもあります。
子宮頸部異形成(子宮頸がん検診の異常)
症状
ありません
検査
内診、子宮頸部細胞診、腟拡大鏡診(コルポスコープ診)、子宮頸部組織診(生検)、HPV検査
治療
軽度異形成や中等度異形成に対しては、半数以上が自然に軽快するので定期的に経過観察を行います。高度異形成・上皮内がん、または中等度異形成でも長く続いている場合は、手術療法を行い、頸がんに進行することを予防します。手術は当院では子宮頸部円錐切除術を行います。
※子宮頸部異形成は、子宮頸がんの前段階(前がん病変)です。近年我が国において子宮頸がんや子宮頸部異形成は20〜30歳代に急速に増加しています。HPVワクチン接種と子宮がん検診の両方を行うことが大切です。
※子宮頸部異形成は、子宮頸がんの前段階(前がん病変)です。近年我が国において子宮頸がんや子宮頸部異形成は20〜30歳代に急速に増加しています。HPVワクチン接種と子宮がん検診の両方を行うことが大切です。
骨盤臓器脱
症状
股間に何か挟まったような違和感、排尿困難、便秘、不正出血
検査
問診、内診、超音波検査、MRI検査
治療
- 軽症の場合:骨盤底筋群体操
- 中等症-重症の場合:腟内装具(ペッサリー)
- 手術療法:腟式子宮全摘出術+腟壁形成術 腟閉鎖術 腹腔鏡下仙骨子宮靱帯腟断端固定術
軽症の場合には骨盤底筋群体操で一時的に対応が可能ですが、基本的には年齢とともに骨盤を支える筋力の低下などにより臓器脱の症状は悪化していきます。症状が増悪してきた場合にはペッサリー挿入や手術療法が必要となります。当科ではお腹をきらずに腟からの手術で修復したり、腹腔鏡手術で小さい創部から修復手術を行っています。人工異物(メッシュ)による合併症を避けるため当科では患者様自身の組織を用いて修復を行っています。患者様の状態やご希望に合わせてメッシュを使用した修復が望ましいと判断される場合には当院泌尿器科に紹介して治療を行っています。泌尿器領域、婦人科領域を合わせて総合的な治療が可能ですので、ご相談ください。
子宮内膜ポリープ
症状
不正出血や重い生理痛、貧血を伴うこともありますが、症状が出ない人も多い
検査
超音波検査、MRI検査、子宮鏡検査
治療
子宮内膜ポリープのほとんどは良性腫瘍です。
小さく症状のないものであれば経過観察を行いますが、症状のある方、大きいものに関しては悪性腫瘍の有無診断のため、子宮鏡手術や子宮内膜掻把が行われます。
妊娠希望の方は着床障害の原因となることがありますので、この場合、症状や大きさに関わらず手術適応となります。
子宮鏡手術の方が内膜掻把より直視下に切除し取り残しがないこと、妊娠希望の方に関しては子宮内をなるべく傷つけずに治療できることから優位性があります。
当院では子宮鏡手術を積極的に行っています。
小さく症状のないものであれば経過観察を行いますが、症状のある方、大きいものに関しては悪性腫瘍の有無診断のため、子宮鏡手術や子宮内膜掻把が行われます。
妊娠希望の方は着床障害の原因となることがありますので、この場合、症状や大きさに関わらず手術適応となります。
子宮鏡手術の方が内膜掻把より直視下に切除し取り残しがないこと、妊娠希望の方に関しては子宮内をなるべく傷つけずに治療できることから優位性があります。
当院では子宮鏡手術を積極的に行っています。