新時代の膝痛治療、Coolief(クーリーフ)登場

関節外科部長に聞く!
クーリーフとは?「切らずに、痛み和らぐ。」とは?

関節外科部長濱田貴広

Iinterview インタビュー

本日は、変形性膝関節症に対する新しい治療「クーリーフ(Coolief/疼痛管理用高周波システム)」について、関節外科部長の濱田貴広先生にお話を伺います。 先生、どうぞよろしくお願いいたします。

 よろしくお願いします。

まず、クーリーフとはどういった治療なのか、簡単に教えていただけますか?

一言でいえば、「切らずに痛みを和らげる」新しい治療です。高周波で膝の痛みを伝える神経を焼灼し、痛みの伝達を弱めます。完全に焼ききるのではなく再生可能な範囲にとどめるのが特徴です。2023年6月から保険適用になり、ようやく国内で広がり始めています。

整形外科外来では、「注射をしても痛みが残る」という声を聞きます。そうした患者さんにも適応があるのでしょうか?

はい、そうしたケースが対象になります。薬やヒアルロン酸注射では効果が頭打ちになる場合があります。一方、人工関節や骨切り術は侵襲を伴うため、決断が難しい患者さんも少なくありません。クーリーフはその“中間”に位置づけられ、患者さんに新しい選択肢を提供できます。

患者さんから「終わったら歩けますか?」「また普段通り生活できますか?」と質問されそうですが、その点はいかがですか?

処置直後から歩行可能です。原則1泊入院ですが、場合によっては日帰りも可能です。局所麻酔下で行い、運動神経を避けて知覚神経のみを処置するため、歩行機能を損なう心配はありません。

逆にクーリーフ治療にはどのような注意点やデメリットがありますか?

まず、すべての患者さんに適応があるわけではありません。関節の変形が非常に進行している場合や、膝以外に重篤な疾患がある場合は対象外となります。また、治療後は一時的に痛みや腫れが出ることがありますが、多くは数日で落ち着きます。長期的には神経が再生するため、再治療が必要になるケースもあります。こうした点を事前に説明し、患者さんと十分に相談することが重要です。

効果の持続については、いかがでしょうか?

臨床試験では24か月にわたり効果が確認されています。患者さんによって差はありますが、保存療法より長く、人工関節手術の“橋渡し”としても十分機能します。

最後に、先生がこの治療を導入された背景や思いを教えてください。

関節外科部長濱田貴広(アイコン)
 膝の痛みは生活の質を大きく下げますが、手術を望まない方や入院が難しい方も多くいらっしゃいます。クーリーフはそうした声に応えられる治療です。患者さんの人生観や状況に合わせて提案できるよう、治療の幅を広げることが導入の狙いです。まだ日本では限られた医療機関でしか実施できない治療ですが、多くの患者さんに新しい可能性を届けたいと考えています。

クーリーフ治療の流れ

受診・診断
  • 初診日とは別日にMRI及びテストブロックを実施
  • 画像所見とテストブロックの効果を確認し、適応を検討
  • クーリーフ治療の適応可否を主治医が判断
治療当日
  • 入院後、同日に処置を実施
  • エコーで神経を特定
  • 局所麻酔を行い、クーリーフの針を刺す
  • 知覚神経であることを確認後、2分30秒高周波を流す
  • 2~3箇所の神経を焼灼(治療は全体で1時間程度)
治療後
  • すぐに歩行が可能
  • 原則1泊入院で、経過観察(場合によっては日帰りも可)

  • クーリーフ本体
  • 穿刺部
  • 治療イメージ

クーリーフ治療の適応について

  • ・変形性膝関節症による疼痛が持続している方
  • ・ヒアルロン酸注射や内服鎮痛薬などの保存療法で十分な改善が得られない方
  • ・人工関節置換術や骨切り術など、大きな手術や長期リハビリが困難な方
  • ・全身状態や社会的背景により手術が難しい方
  •  
※適応については個別に判断いたします。まずは、かかりつけ医にご相談ください。

公立学校共済組合九州中央病院(福岡市南区塩原3-23-1)
受付時間:月曜~金曜 8:30~11:00

 2026/2 整形外科・関節外科

Coolief* 疼痛管理用高周波システムよる変形性膝関節症に伴う疼痛治療の臨床成績(出典:avanos.jp)