本日はいかがなさいましたか?

日本学術振興会「令和6年度科学研究費助成事業(若手研究)」の採択について

この度、「科学研究費助成事業(若手研究)」が採択されました。概略は次のとおりです。

研究課題名:「アストロサイトを起点とした免疫寛容は神経変性疾患で成立するか?」
研究代表者: 司城 昌大 医師 (九州中央病院 臨床研究センター研究員、脳神経内科医長)

 (概要)

神経炎症は様々な脳疾患に寄与するが、その研究成果は脳梗塞後組織修復、腫瘍免疫制御など新規治療に応用されている。神経変性疾患に対する治療介入では、変性蛋白除去のために獲得免疫による特異抗体が用いられているが、自然経過では獲得免疫の作動があるにもかかわらず変性蛋白への応答の観察は認め難い。この乖離の背景に変性蛋白に対する免疫寛容機序が存在し、これが病態進行の律速因子になったり、異なる変性蛋白に対する病態間の経過の差異に繋がる可能性がある。

本研究では、神経病理学的研究・教育施設であるNHO大牟田病院神経病理センターとの共同研究により、我々がヒト脳梗塞病理標本より見出したアストロサイト起因T細胞免疫制御機構を基軸とし、その詳細追及や神経変性疾患ヒト脳病理標本での応用解析、蛋白生化学解析を経て、神経変性疾患における免疫寛容の実態把握とともに各種脳疾患への免疫治療の可能性を探索する。